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2017年6月7日水曜日

仮想マシンの利用料金の試算(AWS、Azure、Bluemix)【追記】さくらインターネットの場合

パブリッククラウドで最も高価なサービスは、やはり仮想マシンでしょう。

クラウド各社の仮想マシン(またはベアメタルサーバー)の利用料金を試算してみました。Azureは1分単位、AWSやBluemix Infrastructureは1時間単位の課金ですが、今回は比較を簡単にするため1ヶ月の課金にそろえました。

AWSはいつも「安い」と言われますが、安いのはネットワークとストレージであって、仮想マシンはそれほど安くないことが分かります。ただし、仮想マシンには豊富な割引オプションがあるため、運用によってはかなりコストを削減できます。

逆に「高い」と言われるBluemix Infrastructureが案外安くなっています。Bluemix Infrastructureが高価なのはネットワーク機器などのアプライアンス製品なので、単純にサーバーを構築するだけだったらそれほど高価ではないことが分かります。

ただし、Bluemix Infrastructureは可用性に関する考え方が違うので、サービスレベルを他社と同列に扱うことはできません。


【仮想マシン要件】

  • サーバー…4コア、8GBメモリ
  • ディスク…128GBシステムディスク + 1TBデータディスク (1,000 IOPS)
  • ネットワーク…月間500GBのアウトバウンド通信
  • データセンター…東京(東日本)
  • OS…Windows Server 2016 Standard (AzureはDatacenter)

【計算資料】

各社のサーバー性能は以下の通りです。ここでは、これらのパラメータを考慮せずに計算します。なお、AWSとAzureの性能あたりコストはほぼ同等というベンチマーク結果があります。


【AWSでの試算】

1ヶ月744時間として、以下の構成で$531/月、6万円/月くらいでしょうか。ただし、AWSには豊富な割引オプションがあり、仮想マシンは最大75%の割引があります。

なお、AWSの汎用SSDは10.000 IOPSを実現できるので、汎用SSDで計算しました。

  • サーバー: $324…c4.xlargeサイズ(4コア、7.5GBメモリ)
  • システムディスク: $15...汎用SSD($0.12/GB) × 128GB
  • データディスク: $122…汎用SSD($0.12/GB) × 1024GB
  • アウトバウンド通信:$70…0.14/GB×499GB(無料枠は1GB)

c4.xlargeサイズは16 ECUなので、コアあたり4 ECUとなります。Azureの場合はコアあたり210~250ACUなので、4×46=186ACUのCPUとほぼ同等の速度と考えられます。


【Azureでの試算】

1ヶ月744時間として、以下の構成で41,463円/月になります。Azureのハードディスクは500IOPSなので、2台構成のRAID-0で1,000IOPSを実現します。

  • サーバー: 33,087円…F4サイズ(4コア、8GBメモリ)
  • システムディスク: 300円...128GB管理ディスク(S10)
  • データディスク: 1,109円…512GB管理ディスク(S20)× 2
  • アウトバウンド通信:6,967円…14.08/GB×495GB(無料枠は5GB)

SSDにすると以下のようになり、58,222円に上がります。なお、SSDは高速なのでシングルディスクで構成しました。

  • サーバー: 33,087円…Fs4サイズ(4コア、8GBメモリ)
  • システムディスク: 2,312円...128GB管理ディスク(P10)
  • データディスク: 15,854円…1024GB管理ディスク(P30)
  • アウトバウンド通信:6,967円…14.08/GB×495GB(無料枠は5GB)

F/FSシリーズはコアあたり210~250ACUなので、c4.xlargeの186よりも少し速くなります。


【Bluemix Infrastructureでの試算:仮想マシン】

以下の構成で$299.02/月、34,000円くらいでしょうか。

  • サーバー:$68…4コア(2 GHz)パブリック仮想マシン
  • メモリ: $86…8GBメモリ
  • システムディスク: $4.52...100GB SATA
  • データディスク: $64…500GB SAN × 2
  • OS: $50…Windows Server 2016 Standard
  • パブリックIPアドレス: $4…4個
  • アウトバウンド通信:$22.5…$0.09/GB×250GB(仮想マシンの無料枠は250GB)


【Bluemix Infrastructureでの試算:ベアメタルサーバー】

以下の構成で$492/月、55,000円くらいでしょうか。

  • サーバー:$153…Intel Xeon E3-1270v3 4 コア(3.50 GHz)
  • メモリ: $86…8GBメモリ
  • システムディスク: $27...1TB SATA
  • データディスク: $186…960GB SSD(最小構成)
  • OS: $36…Windows Server 2016 Standard
  • パブリックIPアドレス: $4…4個
  • アウトバウンド通信: $0…月額課金ベアメタルサーバーは500GBまで無料


追記【さくらインターネットでの試算:ベアメタルサーバー】

では、ここでホスティング事業者として有名な「さくらインターネット」のサーバーで試算してみましょう。さくらインターネットでは仮想マシンやクラウドサービスも提供していますが、ここでは一般的なベアメタルサーバーで試算します。

  • サーバー:12,960円+初期費用27,000円…Xeon 4コア(3.4 GHz)
  • メモリ: 0円…8GBメモリ(基本サイズ)
  • ディスク:1,080円+初期費用59,400円 ..1TB SATA × 2
  • OS: 3,240円…Windows Server 2012 R2 Standard

以上の構成で、初期費用86,400円、月額利用料17,280円になります。

つまり、初月は10万円以上かかってしまいます。しかし、4ヶ月間の累計は155,520円となり、1ヶ月あたり38,880円になります。1年間だと累計293,760円、1ヶ月あたり24,480円で、クラウドよりはずっと安くなります。

「クラウドの仮想マシンは、連続稼働を前提にすると、それほど安くはない」という意味をお分かりいただけたかと思います。

2015年12月21日月曜日

「ホスティッド・プライベート・クラウド勉強会」に行ってきました

12月17日(木)「ホスティッド・プライベート・クラウド勉強会 ~Windows Azure Pack on IBM SoftLayer~」に行ってきました。

「ホステッドプライベートクラウド」は、パブリッククラウドのリソースを使ってプライベートクラウドを作る仕組みです。「仮想プライベートクラウド」とほぼ同じ意味のようですが、「ホステッド」の方は物理リソースを固定するようです。

もっとも、いずれも厳密な定義はないみたいなので、話をするときは注意してください。

さて、この勉強会、メインスピーカが、IBMの北瀬公彦さんと、マイクロソフトの高添修さんでした。

IBMはSoftLayer、マイクロソフトはMicrosoft Azureというパブリッククラウドを提供していますが、今どきのIT業界は少々の競合があっても連携してしまいます。

SoftLayerの最大の利点は、物理マシン(ベアメタルサーバー)が簡単に入手できることです。しかし、複数マシンの管理・監視ツールが標準で提供されるわけではありません。また、社内システムとの接続の少々弱いところです。単に接続するだけなら何の問題もないんですが、IT基盤全体の管理となるとちょっと難しい。

一方、マイクロソフトはMicrosoft Azureというパブリッククラウドの他、System Center製品を使ったプライベートクラウドの構築ツールを持っています。そして、System Centerによるプライベートクラウドを、Microsoft AzureそっくりのGUIで管理するためのソフトウェアが「Azure Pack」です。

Azure Packは、System Centerとともに動作しますので、SoftLayer上のベアメタルサーバーにSystem Centerを入れても当然使えるはずです。そうすると、SoftLayerの持つベアメタルサーバーの調達機能を使ったプライベートクラウドが構築できます。

もっとも面倒なベアメタルサーバーの調達や廃棄をSoftLayerに任せる、ということで、なかなか面白い構成です。

ちなみに、System CenterにはMicrosoft Azureと連携したハイブリッドクラウドを構成する機能もありますから、Microsoft Azureとの連携も可能です。もっとも、これはIBM的にはちょっと微妙かもしれませんが。

実は、この企画「ホスティッド・プライベート・クラウド勉強会 ~Windows Azure Pack on IBM SoftLayer~」は、グローバルナレッジが開催した「G-Tech 2015」の懇親会に参加いただいたことがきっかけだそうです(G-Techについては「今年もやりますG-Tech ~役に立つ楽しいイベントを目指します~」をご覧ください)。

最近、グローバルナレッジでは、単に教育サービスを提供するだけでなく、各種勉強会やコミュニティも積極的に支援していきたいと考えています。

ベンダーをまたがったサービスの勉強会なども企画できますので、「アイデアはあるけど、自分で企画するのはちょっと...」という方はぜひご相談ください。

実はベンダーをまたがったサービスは、ライセンスの縛りなどがあり、我々のビジネスにするのも案外難しいんです。勉強会ならできることもありますので、アイデアをお待ちしています。

会場について

今回の会場は、dots.というイベント&コミュニティスペースでした。渋谷のディズニーストアの横にあり、アクセスも良好で、ゆったりした作りのいい環境でした。

実は、同日同時刻、すぐ近くのタワーレコード渋谷店で「柊木りお」のフリーライブがあったんですが、断念しました。ちなみに、彼女の代表曲が「輪廻の恋」。

さらに同日、その少し前に、マイクロソフトの「女子高生AI(人工知能)」と称した「りんな」のイベントが原宿でありました。こちらは時間が早すぎて、やはり断念。

「輪廻の恋」と「りんなのAI(アイ)」と、うまくつながったんですが、って全然関係ないですね。

近況など

しばらくご無沙汰でしたが、これは編み物(棒針です)を再開していただめです。セーターは編むのに1シーズン近くかかるので、ちょっと面倒になってきました。友人に強く勧められて帽子を編んでみました。

人に上げようと思って編んだのですが、ついでにあと2つ編もうと思い、そうしたらもう1つ何か別の物を、と欲が出てきました。現在はネックウォーマーを制作中です。

すべてを年内に完成したかったのですが、ちょっと無理そうなのであきらめてブログを書いてます。

2015年8月22日土曜日

顧客はコンピュータが欲しいわけではない ~SoftLayerの設計演習裏話~

9月2日にSoftLayer Bluemix Summit 2015が開催されます。それに関連して「SoftLayer Meetup夏のブログコンテスト」が開催されています。本ブログもエントリしてみました。会社でやっているブログに参加資格があるのかどうか確認していないので失格かもしれませんけど。

SoftLayerはIBMが提供するIaaS、Bluemixは同じくPaaSです。

IaaSは、既存のOS環境を提供するため、既存のシステムからの移行が容易な反面、新規にシステムを構築する場合のメリットはそれほどありません。もちろん、自動的なスケールアウトや、「使った分だけ払う」というメリットは大きいのですが、それ以上の価値がありません。

一方PaaSは、新規にアプリケーションを作るときにOSの階層を考えなくていいので、管理コストを大きく削減できます。これが「気持ち悪い」という気持ちは分かりますが、自動化というのはそういうものです。

さて、グローバルナレッジでは今年2015年春からSoftLayerの研修を開始しています。

実際に開催されたのは残念ながら「SoftLayer Solutions Design」だけです。

今日は、この「SoftLayer Solutions Design」のオチをお話ししたいと思います。

このコースで取り上げるケーススタディは以下の3つです。

  1. eコマース...インディーズ系ミュージシャンのチケット販売サイト
  2. ソーシャルネットワーク...IBMのエンタープライズソーシャル製品「IBM Connections」をサービスとして提供するサイト
  3. ビッグデータ分析

eコマースについては比較的丁寧に講師が説明します。ここでは典型的な三層クライアントサーバーモデルの考え方を説明し、Webサーバーのスケールアウトや、RDBのスケールアップ、SoftLayerならではのベアメタルサーバーの利用について扱います。受講者の皆さんも、ベアメタルサーバーを積極的に使う方が多いようです。

ところで、テキストではインディーズ系ミュージシャンのチケット販売を扱うのですが、「数百席の小規模なライブハウス」という記述に戸惑います。日本のライブハウスの多くは100席未満です。1000人定員だと大きな部類でしょう。

正確にはこういう記述です。

同社の事業は、座席数 500~3,500 の小規模な場所でコンサートを開催し、インディーズ系音楽をメインスト リームのリスナーに売り込むことでした。

SoftLayer Solutions Design Version 1.0 Facilitator Guide.
Global Knowledge/Gilmore. VitalBook file.

ちなみにグローバルナレッジの東京教育センター近くの「アイランドタワー」にもReNYというライブハウスが入っていて、キャパ800人だそうです。この800という数字がいかに大変なものか。テレビ朝日「アイドルお宝くじ」11週連続勝ち抜き実績を持つアイドルユニットまなみのりさですら「800人キャパという箱はチャレンジなんだ」と強調していました。

力が入ってしまってすみません、どうでもいいですね。

一方、ソーシャルメディアについては多くの作業を受講者に考えてもらいます。こちらは社内のディレクトリサービスを、SoftLayer上のサーバーといかに連携させるかが問題になります。

また、ビッグデータ分析は、講師が概要紹介だけを行い、あとは自分で考えてもらいます。そもそもビッグデータに関しては、SoftLayerのようなIaaSで対応するより、何らかのPaaSを使う方が現実的ですので、IaaSの限界を示すことにもなっています。

以上が、本来の流れなんですが、eコマースについてはオチがあります。

IT業界の方は、新入社員のときに「顧客はコンピュータが欲しいわけではない」と習ったのではないかと思います。顧客はビジネスツールが欲しいのであって、それがコンピュータかどうかは関係ありません。

同様に、顧客はクラウドが欲しいわけではありません。他に方法があればそれでいいわけです。

SoftLayerはIaaSなので、そこにECサイト構築キットをインストールすることができます。一から作るよりは圧倒的に簡単でしょう(その代わり好きなように設計できない部分があります)。

さらに簡単なのがチケットサービスを利用する方法で、たとえばある会社の最も安いプランなら初期契約料ゼロ、1公演5000円プラス販売手数料8%。手売り用の紙チケットの用紙代が1枚10円、代行印刷を依頼したら1枚30円です。

100人に売るとしたら、1人あたり1公演の負担は8%+50円、3000円のチケットだったら3300円くらいです。これでシステムを自前で作る意味は何でしょう。どんな付加価値があればいいでしょう。

物販も同じです。アイドルユニットまなみのりさの公式サイトからSHOPリンクを選ぶと「まなみのりさ」のオンラインショップにジャンプします。

SHOPリンクは、実際には、所属事務所のオンラインショップのカテゴリ指定をしたURLです。そして、ショップ自体はstores.jpという、「最短2分でできる」が売り物のオンラインストア構築サービスを利用しています。

もちろん、自前でシステムを持つメリットはあります。しかし、それが本当に投資に見合うかどうかは経営上の判断を行う必要があります。

もちろん経営上の判断ですから、誰にでも成り立つ正解はありません。しかし、クラウドコンピューティングの研修というのはそこまで考えるべきだと思っています。

SoftLayer Bluemix summit2015

2015年7月23日木曜日

SoftLayerのファイルストレージ

SoftLayer Solutions Designコースを実施中にファイルストレージの質問がありました。本題とは外れるので回答を保留していたのですが、やっと時間が取れたので報告しておきます。お待たせしてしまって申し訳ありません。

SoftLayerのファイルストレージは以下の3種類があります。

  • Endurance
  • Performance
  • NAS / FTP

このうち、EnduranceとPerformanceの機能は基本的に同じで、NFSのファイルサーバー機能を提供します。実際に作成したところ、同じホスト名の異なるボリュームが割り当てられました。ホスト名が同じだから、同じ機能とは限りませんが、同じである可能性は高いでしょう。

いずれもホストベースのアクセス制御を行い、アクセス用のアカウント情報は必要としません。

一方、NAS/FTPは古くかあるサービスで、FTPおよびSMBサーバーとして動作します。

ご質問は、プロトコルの話だったのですがEnduranceとNASの話を混同してしまい、ややこしくしてしまいました。

 

NFS

SMB

FTP

Endurance

×

×

Performance

×

×

NAS/FTP

×

NAS/FTPは、NFSではなくSMB(Windowsの標準共有プロトコル)を使います。そのため、Linuxからマウントする場合はパラメータが変わります。

NFSマウントの例
mount -t nfs4 nfstokxxd.service.softlayer.com:/IBM01SEVnnnn_1 /mnt

SMBマウントの例
mount -t cifs -o user=vol,password=pwd //nastokxx.service.softlayer.com/vol /mnt

NFSマウントの場合、接続先は「ホスト名:/ボリューム名」の形式を使用します。

SMBマウントおよびFTP接続の場合は以下の通り指定します。

  • ホスト名…ホスト名
  • 共有名…ボリューム名(FTP接続では不要)
  • ユーザー名…ボリューム名と同じ
  • パスワード…管理ポータルから入手

Linuxからの接続

Linuxの場合は、全てのストレージに問題なくつながりました。LinuxにはFTPやSMBクライアントの機能が標準で入っていないのでftpおよびcifs-utilsのパッケージを追加してください。

Windowsからの接続

Windowsからは、SMBおよびFTP(つまりNAS/FTP)への接続はできましたが、NFSの接続ができませんでした。WindowsにはNFSクライアントが標準で提供されており、機能を追加するだけで使えるはずなんですが、The network path was not found.のエラーが出てしまいます(もちろんpingでの接続は確認しています)。

実際問題として、WindowsからNFSサーバーを使うことは少ないでしょうが、Endurance Storageの機能は魅力的なので、Windowsから使いたいこともあるでしょう。どなたか情報があれば、教えていただけると幸いです。

もっといいのは、Endurance File StorageがSMB 3.0をサポートすることです。SMB 3.0は、Windows Server 2003以前のSMBに比べて大幅に性能が上がっています。特に巨大なファイルの場合は、数倍の差が出ています。ファイルサーバーは、iSCSIなどのブロックデバイスに比べて扱いが容易なので、今後はもっと使われるようになるでしょう。

2015年4月15日水曜日

SoftLayerの管理コマンドをWindowsに導入するには

SoftLayerに限らず、パブリッククラウドのいいところは、全てがコマンドで管理できることです。GUIも便利なんですが、定型処理の繰り返しや、間違い防止にはやはりコマンドが便利です。

GUIで、クリックするところを1cm間違えたら[はい]と[いいえ]が逆になりますが、タイプするキーを間違えてもほとんどの場合は単にエラーになるだけです。

Microsoft Azureの管理は、単体のコマンドもありますが、PowerShellで行うのが一般的です。PowerShellはWindowsに標準搭載されている馴染み深いツールですし、そもそもMicrosoft AzureはWindowsのサポートを最優先で行ってくれます。

ツールはMicrosoft Azureの管理ポータルサイトMicrosoft Azureのホームページから簡単にたどれますし(Microsoft Azureダウンロードサイト)、インストールも簡単です。

Amazon Web Servicesも、コマンドラインツールとPowerShellツールが「アマゾン ウェブ サービスのツール」として分かりやすい場所にあります。

ところが、IBMが提供するSoftLayerは、Python言語のインターフェースを使う関係で少々複雑です。

調べたら、Mitsu-Murakitaさんのブログ記事「SoftLayer Command Line Interface環境の導入」に詳しい手順が出ていました。この通りに設定すればうまくいきます。ありがとうございました。

ただし、ツールのバージョンが変わったのか、少し冗長な部分もあるので、整理したものを改めて書いてみたいと思います。

主な手順は以下の通りです。

  1. Pythonの導入
  2. SoftLayer管理ツールの導入
  3. SoftLayerを制御するAPIキーの取得
  4. SoftLayer管理ツールの初期化

順に設定していきましょう。

なお、Pythonは複数のバージョン系列があります。記事では2系で試していますが、私は3系で問題なくインストールできました。

また、ツール自体のバージョンもメジャーチェンジがあったようですので、ご注意ください。新版ではコマンド名もslからslcliに変わっています。

ブログ記事「SoftLayer API Python Client 4.0.0 でもう一度」によると、今のところ旧バージョンの方が一般的なようです。今回も、広く使われている旧版をインストールします。

 

1. Pythonの導入

  1. Pythonの公式サイトから[Downloads]-[Windows]を選択
  2. 適切なバージョンのPythonを選択
    今回は「Latest Python 3 Release - Python 3.4.3」を選びました。
  3. インストーラー付きのパッケージをダウンロードしてインストール
    今回は「Windows x86-64 MSI installer」ダウンロードしました。
    32ビット版OSの方は「Windows x86 installer」をどうぞ。
  4. インストールオプション[Add python.exe to Path]を有効化
    既定で無効になっている唯一のオプションです(一番下にあります)。
    このオプションを有効にすると、環境変数PATHの設定が不要になります。

Pythonは、バージョン2系の方が広く使われているそうですが、今後は3系に移行するということでした。SoftLayerのツールの制限については確認していませんが、どちらでも動くようです。

必要に応じて、環境変数PATHを変更します。インストール時に[Add python.exe to Path]を指定していれば、C:\Python34\;C:\Python34\Scripts が先頭に追加されるので何もしなくて構いません(Pythonバージョン3.4の場合)。

環境変数の設定は間違えやすいので、自信のない方は自動構成をおすすめします。

Windows Installerは、何度インストール作業を行っても問題ないようにできています。起動後、[Repair](修復)というオプションを選べば同じ構成で、[Change](変更)を選べば異なる構成で再インストールできます。

インストールが終わったら、pythonコマンドを実行して、プロンプト >>> が出てくれば成功です。終了ははCtrl-Zを入力するかexit()を実行します。

 

2. SoftLayer管理ツールの導入

SoftLayer管理ツールの導入には、以下の追加ファイルが必要です。

  1. setuptools (ez_setup.py)
  2. pip (get_pip.py)

wgetというツールを使えば、直接ファイルに保存できるのですが、以下の方法でも可能です。

  1. 上記のリンクにアクセスし、Pythonのスクリプトを表示
  2. [Ctrl-A]→[Ctrl-C]で全体をクリップボートに保存
  3. メモ帳を起動
  4. [Ctrl-V]でメモ帳に貼り付け
  5. 名前を付けて、適当な場所に保存
    この時「ファイルの種類」として「すべてのファイル」を選択してください。ファイル名は括弧内に示したとおり、ez_setup.pyとpip.pyです。拡張子も書いてください。 「すべてのファイル]を選択しないと「pip.py.txt」のようなファイルができてしまいます。
  6. ファイルの保存先フォルダーで、python ez_setup.pyを実行
    セットアップツール本体のダウンロードも行うため、少し時間がかかります。
  7. ファイルの保存先フォルダーで、python pip.pyを実行
    同じく少し時間がかかります。
  8. pip install softlayerを実行
    Pythonのインストールツールpipがインストールされたので、これを使ってSoftLayer管理ツールを導入します。

 

3. SoftLayerを制御するAPIキーの取得

SoftLayerの管理ポータルにアクセスし、APIキーを取得します。

  1. SoftLayerの管理ポータルにアクセスし、ログオン
  2. [Users]で、管理に使うユーザー名を書き留める
    SL123456形式のマスターユーザーでも、子ユーザーでも構いません。
  3. そのユーザーのリンクを選択
  4. [API Access Information]から[Authentication Key:]を書き留める
    (例: 7bf4b35eb105767c15.... という長い文字列)

SoftLayer-API

後述するように、実際にはAPIキーを知らなくても、ユーザー名とパスワードが分かっていれば構成は可能です。実際にはその方が便利でしょう。

 

4. SoftLayer管理ツールの初期化

以上で、slコマンドが使えるようになりました。最後に、SoftLayerのアクセス情報を登録して完了です。

赤字が入力文字、青字が説明文です。レイアウトの都合で、一部の文字を削除しています。

C:\> sl config setup            ←初期化コマンド
Username []: yokoyama ←ユーザー名(追加ユーザーでも可)
API Key or Password []:XXXXX ←APIキーまたはユーザーパスワード
Endpoint (public|private|custom): public ←後述
:..............:.............................................
:    Name : Value
:..............:.............................................
: Username : yokoyama
:      API Key : XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXX
: Endpoint URL : https://api.softlayer.com/xmlrpc/v3.1/
:      Timeout : not set
:..............:.............................................
Are you sure you want to write settings to "C:\Users\yokoyama/.softlayer"? [Y/n]: y←情報の保存の可否
Configuration Updated Successfully

endpointは、APIアクセス用のURLで、以下の3つのいずれかを指定します。



  • public…インターネットなどのパブリックネットワークから利用する場合
  • private…SoftLayer内部のプライベートネットワークから利用する場合
  • custom…任意のURLを指定(使うことはあまりないでしょう)

構成情報は、ユーザープロファイルフォルダーに「.softlayer」という名前で保存されます。ピリオドで始まるファイル名は、UNIX系の作法に従った初期化ファイルです。


なお、初期化時にパスワードを指定した場合でも、保存されるのはAPIキーのみです。ユーザー名とパスワードを指定した時点で、SoftLayerにアクセスしてAPIキーを取得しているようです。


パスワードが保存されないのは安全でいいのですが、APIキーを使えばSoftLayerの管理作業が可能です。構成ファイルはプレーンテキストなので、セキュリティには十分注意してください。既定では、プロファイルフォルダーは本人しか読み取りの権限がありません。


たとえば、以下のコマンドはクラウド上の仮想マシン一覧を表示します。


sl vs list


 


終わりに


クラウドサービスが提供する仮想マシンは、必ずしも最安値ではありません。クラウドの価値は、単純な価格ではなく、必要な時にいくらでもリソースを追加でき、不要になったら解除できること、そして自動構成が可能なことです。そして、自動構成をするにはAPIやコマンドの利用が不可欠です。


また、パブリッククラウドクラウドの管理WebサイトのGUIはしばしば予告なく変わります。せっかく作った操作マニュアルがある日突然使えなくなったり、既定値が変わったりします。


その点、コマンドが変わることはあまりありませんし、APIの変更はもっと少ないでしょう。コマンドというと、熟練者が使うイメージが強いようですが、「見たまま打てば成功する」ので、実は初心者にも優しいインターフェースです。


GUIは「概念は分かっているけど、細かい手順は覚えていない」という方に適しています。一方、コマンドは「全てを理解して、覚えている」上級者に加えて「概念も手順も分かっていないけど、決められた仕事を遂行しなければならない」初級者にも向いています。


このように、コマンドというのは実は初級者から上級者まで(初級者と上級者に)優しいインターフェースなのです。


DSC00418M
▲猫といえばマウスですが、最近はキーボードも使います
(Ctrl-Alt-Delを押すのは無理なようです)

2015年4月6日月曜日

SoftLayerとワトソン君

IBMが提供するIaaSサービス「SoftLayer」は、ベアメタルサーバーを時間単位で使用できることや、データセンター間のプライベートネットワークが追加料金なしで使用できることですが、ほぼリアルタイムのサポートにも注目したいところです。

たいていの問題は無償サービスチケットの範囲で多くの問題が迅速に解決されますし、チケットの使用は極めて簡単でカジュアルです。また、チャットサービスによるリアルタイムサポートも優秀です。

特に、チャットサービスはほとんど待たされることもなく、大変快適です。ちょっと心配なのは、このまま利用者が増えてくるとサポート要員の手が回らないのじゃないかということです。

考えられる選択氏は3つあります。

  1. サポートが不要なほど品質を上げる
  2. サポート要員を増やす
  3. サポートを自動化する

品質向上は、コストを上げる要因にもなるので、使用料金が上がったり、IBMの利益率を圧迫する可能性があります。一定の利益を確保するのはサービス継続に必要なことなので、ある程度は儲けてもらわないとこちらも困ります。

サポート要員の増加は誰でも思いつくことですが限度があります。「この調子で利用者が増えれば、世界のITエンジニアの全員がSoftLayerのサポート担当者にある」みたいなことになってしまいます。

かつて、電話網が発達していった頃「このまま電話が普及すると全米の国民が交換手にならないといけない」と言われたそうです。

実際には、自動交換機の発明により交換手は増えるどころか減っています。もっとも「電話番号を入力する」というのは、本来交換手の仕事だったので、ある意味「世界中の人が交換手になった」とも言えます。

1970年代は「このままだと世界中の人が全員プログラマになっても...」などと言われていましたが、実際はソフトウェア開発ツールの発達で、ITエンジニアに対するプログラマの比率はむしろ下がっています(昔はシステム管理専門の人など、ほとんどいませんでした)。

ただし、普通の営業担当者がExcelマクロを自在に使いこなしているのを見ると、ある意味「全員プログラマ」かもしれません。

クラウドサービスは、従来IT担当者が行っていたシステム構築をエンドユーザーが行うという意味で自動化とも言えますが、「全員がIT担当者になった」とも言えます。

サポート問題の解決も「全員がサポート担当者になる」可能性があります。でも、現在のサポートエンジニアと同じスキルを誰もが身に付けるのは無理です。

そこで「サポートの自動化」が必要になります。サポートエンジニアが参照している「ナレッジベース」を、エンドユーザーが簡単に使えるようにするわけです。

1950年代に始まった人工知能は、1970年代に一定の成果を上げ、1980年代に実用技術に発展しています。そこで分かったことは「専門知識ほど扱うのが容易である」ということです。対象領域(ドメイン)を狭く絞れば、自然言語(人間の話す言葉)でのやりとりも可能になりました。

近年は、検索エンジンと組み合わせることで、より高い精度を実現していいます。IBMの研究プロジェクトの成果「ワトソン」は、米国のクイズ番組「Jeopardy!」に参加し、人間に勝利しました。

クイズ番組は対象ドメインが広いように見えて、実は「文章化された知識」という狭い領域しか扱っていません。

そう考えると、SoftLayerのチャットサポートを、ワトソンである程度置き換えることは十分可能ではないかと予想しています。少なくとも一次サポートには有効ななずです。

ところで「ワトソン」の名前は、IBMの実質的な創業者トーマス・ワトソン・シニアと、コンピュータ事業に参入を決めたトーマス・ワトソン・ジュニア、そしてその名を冠したIBMの研究所の名前に由来するのだと思います。

一方、古いWindowsユーザーにとって「ワトソン」といえば「ワトソン博士」の方が有名かもしれません。「ワトソン博士」の由来はシャーロック・ホームズの助手の名前で、そのココロは「(ホームズに)ヒントを提供するが、問題は解決しないから」だそうです。

データ伝送分野ではもう1人有名な「ワトソン」がいます。ベルが電話の実験に成功したときの言葉「ワトソン君、用事がある、ちょっと来てくれたまえ ("Mr. Watson! Come here; I want to see you!")」で有名な人です。偶然なことに、彼も「トーマス・ワトソン」だそうです(Thomas A. Watson)。

交換機は英語でswitchですし、コンピュータはスイッチング素子を使って作られています。電子交換機とコンピュータの構造はほぼ同じだということを考えると面白いワトソンつながりです。

ワトソン博士
▲「ワトソン博士」の構成画面(Windows XP)
Windows 3.1時代は、もっと「ワトソン博士」らしい画面だった

2015年3月27日金曜日

SoftLayer TTT: Fundamentalsの内容

SoftLayer TTT: Fundamentals」の続きです。

2日間の教育コース「SoftLayer Fundamentals」では、SoftLayerというIaaSクラウドサービスを使ってシステムを構築します。

エミュレータではなく、本物のSoftLayer環境を使うので、チャットなどのサポートもそのまま使えます。実際、講習中に仮想マシンがなかなか構成できないというトラブルがあり、サポートに問い合わせることになりました。

これがいいことかどうかは分かりませんが、無料のサポートはSoftLayerの大きな特徴なので、気軽に使ってもらっていいと思います。ちょっとしたことは、悩んでいるよりも聞いた方が早いでしょう。

ただし、今のところ日本語チャットはビジネスアワーのみですし、チケットによるサポートは英語で行った方が無難です。返事を見ると、明らかに日本人の名前のこともありますが、日本語での対応はしてないようです。

受講者には、演習環境として、以下のコンポーネントが割り当てられます。

  • デモ用ベアメタルサーバー(講師用)
  • Windows Server 2008 R2仮想マシンテンプレート
    (Webサーバー2種類、DBサーバー、アプリケーションサーバー、講師用)
  • 演習用VLAN(受講生分)
  • ファイアウォール(受講生分)
  • ストレージ
    (受講生分のiSCSIブロックストレージ、ファイルサーバー1台)

受講者の権利は制限されている他、講師用のアカウントにも一部の制限があります。

テキストの最初には、コースの目標が書いてありました。

  • IaaSを使ったシステム構築
    Compute、Storage、Networkの各要素や、セキュリティ、監視、管理など
  • 講義と演習の流れ
    Learn (基礎知識を得る)
    Apply (応用分野を考える)
    Try (実際に試してみる)

「知る→考える→試す」は、大事な学習サイクルですから、とくに強調してあります。

Cycle

ただし「考える」部分は十分な時間が取れないかもしれません。英語版で350ページの内容があります。一般に、講義のみの場合で1日あたり100ページから150ページくらいが一般的ですので、2日で350ページというのは相当な分量です。日本語になるとさらにページが増えることが多いようです。

しかも、演習は全部で8時間くらいかかります。通常の講習時間よりも1時間延長して9:30~17:30にしていますが、それでも十分な時間とは言えません。資料的なページや、あとで読めば十分な内容は飛ばしながら進めていく予定です。

なお、演習は仮想マシンテンプレートを使ったオートスケールや、データベースサーバーにストレージを追加する作業は行いますが、実際のコードを動かすまでには至りません(演習用仮想マシンにコードは含まれていません)。今回は、システム構成をするまでが目標であり、実際にプログラムを動かすところは目標ではないからです。

SoftLayerのユーザーは、LinuxもWindowsも使うと思いますが、演習で使うのはすべてWindows Server 2008 R2英語版です(幸い、キーボードは日本語キーボードを自動的に認識し、正しい配列で使えます)。WindowsユーザーがLinuxのコマンドラインを使うのは結構大変ですが、LinuxユーザーはコマンドにもGUIにも慣れているため、演習を勧めやすいためだと思われます。

TTTでは受講者がPCを持ち込みましたが、グローバルナレッジが提供する教育コースでは1人1台のPCを用意しました。席に余裕があれば、テキストの参照専用にもう1台用意するつもりです(テキストはすべて電子版です)。

演習PCは、Windows 8.1 Updateに重要な修正プログラムを当てたものをスタンドアロン環境で使います。また、ブラウザはInternet Explorerの他、Firefoxが使えるようにしてあります。VPN接続を行うためには、この2種のいずれかが必要なためです。

2015年3月26日木曜日

SoftLayer TTT: Fundamentals

SoftLayerのTTTに行ってきました。TTT(Train the Trainer: 講師向け研修)については「SoftLayer TTT: はじめに」をお読みください。

最初の2日は「SoftLayer Fundamentals」です。こちらは純粋なTTTで、参加者4人は全員トレーナ、米国から2人、コスタリカから1人、日本から1人(私)です。

TTTと言っても、基本的には通常の教育コースと同じように進行します。ただし、演習で引っかかりやすいポイントなんかも示してくれるのはTTTらしいところです。

演習は、持ち込みPCを教室のネットワークにWiFiで接続します。昨年、Microsoft Azureの研修を受けたときもそうでした。そして、どちらも「PCを持ってこい」とは書いていません。いまや、PCを持ち込むのは当然なのでしょうか。

日本でも、IBMがSoftLayerの研修をしていたときは「PCを持ってきてください」というアナウンスがありました。AWS(Amazon Web Services)のセミナーはもっと厳しくて「TeraTermをインストールしてきてください」と言われました。

ちなみに、SoftLayerはタブレット用やスマートフォン用の管理ツールもあります(Android用iPad/iPhone用もあります)。タブレットから使うなら、こちらが便利でしょう。

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▲iPhoneで動くSoftLayerの管理ツール

もちろん、我々教育ベンダーが実施する場合は、こちらでPCを用意します。しかし、将来的には、もしかしたらお客様に端末を持ち込んでもらうことになるかもしれません。

ちなみに、AWSのコースではSSH接続可能なクライアントが必要ですし、Microsoft Azureのコースでは自己署名証明書を作る機能が必要です。SoftLayerのコースは、リモートデスクトップクライアントやVNCが必要ですし、VPNを張るのにもPCが必要です。いずれも、タブレット用のアプリケーションも出ていますが、演習ガイド通りというわけにはいきません。

初日は通常のスケジュールで進んだのですが、1つだけ宿題演習が出ました。演習は本物のSoftLayerを使うので、深夜でも自習ができます。いいのか悪いのかは分かりませんが。

ただし、「スケジュール通り」といっても、朝8時半から夕方6時半まで、昼食はサンドイッチを教室で食べました。米国人はだいたい朝が早いですし「時差ぼけがあるから、朝早い方がいいでしょう」と私に対する配慮もありました。

2日目は、時間が足りなくなって、ほぼすべての演習を飛ばしてしまいました。さすがに早めに終わりましたが、TTTで演習せずに帰るわけにはいきません。翌日に持ち越しとなりました。

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▲飛行機は往復ともにボーイング787でした。
シアトルのボーイング博物館の見学コースで、ANA向けに製造中の787を見ました。
エコノミークラスでしたが、快適でした。

2015年3月24日火曜日

SoftLayer TTT: 成人教育の原則

SoftLayerの「Train the trainer (TTT)」を受講してきた話の続きです。

日本から米国への便は、基本的に午後に出発し、当日の朝に着きます(時差のためです)。サンノゼ空港に着いたのは10:00頃だったでしょうか。

ホテルまでタクシーに乗り($25フラットレート)、時差ぼけ解消を兼ねて散歩に出ました。公園にはリスがいました。北米ではありふれた光景で、珍しくもありませんが、写真を載せておきます。

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TTT会場は、グローバルナレッジネットワークの施設です。コーヒー、紅茶は無料、さらに簡単な朝食が用意してありました。泊まっていたホテルは朝食料金が含まれていたので、私はホテルで食べました。米国では、トレーニングセンターが朝食を出すのが一般的で、マイクロソフト社内で開催されたトレーニングや、さまざまな技術イベントでも無料の朝食が提供されています。

テキストはUSレターサイズ(ほぼA4)、3穴のバインダーに綴じられています。会社が米国系だった時代を思い、ちょっと懐かしかったのですが、このバインダーが大変大きくて邪魔。帰国後にキンコーズで製本してもらいました。学生の頃は背表紙になる部分に糸鋸で溝を切り、木工用ボンドを使って自分で製本していたのですが、もうそんな元気はありません。

テキストとは別に、「SoftLayer Course Instructor Best Practice」というプリントが配られました。そこには「成人教育(Adult Learning)の原則」が記載されていました。

こうした原則は、SoftLayerに限らない話です。一般的に言われる「成人学習の5原則」と重複する部分もありますが、トレーナに向けてもっとストレートなアドバイスもあります。

  1. 成人の学習者は、欲しいものを望んでいる(目的がはっきりしている)
  2. 成人の学習者は、自分の経験が尊重されること望んでいる
  3. 成人の学習者は、問題に対する解答を求める
  4. 成人の学習者は、学習に即効性を求める
  5. 成人の学習者は、新しい技術の習得に時間がかかる(自尊心を傷つけない)
  6. 成人の学習者は、つまらないと出ていく

結構ストレートですね。

ちなみに「成人学習の原則」については、グローバルナレッジの「トレイン・ザ・トレーナー」でももちろん取り入れています。

その他、コース運営についての一般的な注意が書いてありました。

テキストはもちろん英語ですが、日本で開催されるコースについては日本語化されますSoftLayerのコーステキストは日本語です。大事なことなので2回書きました。

日本語テキストはまだ完成していないので、翻訳品質はまだ何とも言えませんが、いいものになっていることを期待しています。

もう一度書きますが、英語以外で提供されるのは、日本語だけです。東京データセンターといい、IBMが日本市場をいかに大切にしているかの表れですね。

SoftLayerの大きな特徴に、チャットによるサポートがありますが、これもビジネスアワーだけとは言え日本語が使えます。

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▲SoftLayerの管理Webサイトにある日本語チャットメニュー

今回のTTTにはコスタリカから来た人がいました。コスタリカでは、コースは通常スペイン語(日常的に使われている言語)ですが、テキストは英語が多いそうです。「学校では英語も併用しているので、大きな問題はないが、そりゃスペイン語(母語)の方がいいよね」という話をしていました。

もっとも、そんなに「日本人は英語ができない」と思われているのかと、ちょっと複雑な気分でもあります。私も含めて、実際そうなんですけど。

2015年3月23日月曜日

SoftLayer TTT: はじめに

「TTT」というのをご存じでしょうか。トレーニング業界でよく使う略称で「train the trainer」つまり「トレーナーのためのトレーニング」という意味です。

TTTには、一般的な講師養成トレーニングと、特定の技術コースの講師向けトレーニングがあり、どちらもTTTと呼ばれます。

グローバルナレッジが行っている「トレイン・ザ・トレーナー ~研修講師養成講座~」は、一般的な講師養成講座ですので、ジャンルを問わず多くのお客様が同じクラスに参加します。

一方、特定の技術コースに対するTTTは一般公募されないのが普通なので、多くの方には馴染みがないかもしれません。

TTTは、教育コース設計者(SME: Subject-matter expert)が、トレーナ向けに実施します。そのため、募集もトレーナ専用のメーリングリストや、トレーニングセンター向けの告知媒体が使われます。

内容は、技術研修が中心ですが、失敗しやすい演習のポイントや、質問が多く出そうなポイントなども教えてもらえます。

4月から実施するIBM SoftLayerのTTTは、米カリフォルニア州、シリコンバレイにあるグローバルナレッジネットワークのサンノゼ教育センターで開催されました。実際は、サンノゼではなく、隣接するサンタクララです。あのあたりは(米国全般にそうなんですが)小さな市が多く、私が泊まったホテルもサニーベールという別の市だったくらいです。一般には、あのあたり一帯を「サンノゼ」と呼ぶようです。

サンノゼは、私が初めて海外出張に行った場所で、実に25年ぶりの訪問です。前回は、ボストン郊外にあるところで5日間のトレーニングを受け、週末に米国大陸を横断し、さらに5日間のトレーニングを受けました。

以前のサンノゼ空港は非常に小さく、タラップで飛行機から降りたくらいです。日本から直接行くなら、サンフランシスコからタクシーで1時間というところでしょうか。

今回は、ANAのサンノゼ直行便を使いました。タクシーの運転手さんに聞いたら、数年前にリニューアルしたそうです。

まだまだ拡張中のようです。帰りに免税店の場所を聞いたら「まだオープンしていない」というので「いつ(何時に)オープンするの?」「6月」と言われました。私は時刻のことを聞いたんですが、日程の問題だったようです。「ちょっと遅すぎる」と言ったら「次来たら開いてるよ」と言われました。

前回の出張では車を借りたのですが、今回は借りませんでした。レンタカーも結構高いですし、ホテルからトレーニング会場までは3Kmくらいですから、タクシーですぐです(もっとも、流しのタクシーは皆無なので電話して呼ぶ必要があります)。

今回は、前夜に受講者と講師の懇親会があったと、初日は全員がホテルのロビーに集合し、車を持っている人に便乗したことから、その流れで毎日乗せてもらいました。だいたい半分くらいの人が車を借りていなかったようです。昔は大半の人が車を借りたものですが、時代も変わったのでしょうか。

指定のホテルはレジデンスタイプで、(1人で泊まるには)無駄に広く、キッチン、冷蔵庫、電子レンジ、IHレンジ、オーブン、食器洗い機が完備しています。米国のキッチンは、日本の魚焼きグリルと同じ感覚で食器洗い機とオーブンが組み込まれています。

米国の料理はご存じの通りの味ですが、野菜など素材はとてもいいので、自分で料理するのも魅力的な選択肢です。ただ、車がないと近くのスーパーにもいけません。タクシーで行く手もありますし、「5マイル以内無料バス」というホテルのサービスもあったのですが、毎夜TTTの復習をしていたこともあって今回は諦めました。

長くなってしまいました。本題であるSoftLayerのTTTについての内容は次回。

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▲2階建ての客室棟、私は1階でした

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▲無駄に広いキッチン、何人かで泊まるならいいのですが

2015年3月10日火曜日

もう1つのIaaS: SoftLayerはじめました

クラウドコンピューティングとして提供される仮想マシン(IaaS)の多くは、ネットワークカードを1つしか持っていません。

オプションで追加できる場合もありますが、通常のネットワーク(パブリックネットワーク)に接続することに変わりはありません。管理者は、外部からの着信を禁止したり、クラウド内に独自のネットワークを作ったりすることで、複数のネットワークを実現しています。

オンプレミスのサーバーでは、むしろ複数ネットワークを構成する方が普通です(図)。多くの場合、サービスを提供する「パブリックネットワーク」、システム管理のみを行う「管理用(プライベート)ネットワーク」、そしてストレージを接続する「ストレージネットワーク」を用意します。

クラウドネットワーク

多くのIaaSクラウドサービスは、仮想マシンとして提供されるため、管理用ネットワークを必要としません。また、iSCSIなどを使ったストレージ専用ネットワークも提供しません。

しかし、オンプレミスからの移行を考えると、複数のネットワークがあった方が便利です。

昨年12月に東京データセンターがオープンしたIBM SoftLayerは、「3ネットワークアーキテクチャ」を採用し、サーバーは原則として以下の3本のネットワークを持ちます。

  • パブリックネットワーク
  • プライネートネットワーク
  • 管理ネットワーク

パブリックネットワークは、サーバーがサービスを提供するために利用するネットワークで、最も一般的な構成です。

プライベートネットワークは、SoftLayerが提供するiSCSIデバイスへのアクセスに使われる他、サーバー間通信でも利用されます。

SoftLayerが持つ世界中のデータセンターは、相互に高速な回線で接続されており、SoftLayer利用者は無償で自由に利用できます。たとえば、日米間にサーバーを配置し、コンテンツの複製が無償で可能です。

管理ネットワークは、以下のいずれかの形態で提供され、いずれもプライベートネットワークと直接通信が可能です。

  • 仮想マシンの場合…VPN接続
  • 物理マシンの場合…専用のネットワーク

SoftLayerは、単に時間課金の仮想マシンだけでなく、物理マシンを丸ごと時間課金で使用できます(ベアメタルサーバー)。また、物理マシンを固定して仮想マシンを配置することもできます(占有型仮想マシン)。

ベアメタルサーバーの管理用ネットワークは、マザーボードの専用ポートに接続され、Javaベースのアプリケーションから接続できます。VMware ESXのライセンス付きのサービスも用意されているため、SoftLayerを使ってVMware上の仮想マシンを使うこともできます(SoftLayerのネイティブ仮想マシンンは、AWSと同じくXenです)。

このように、SoftLayerは、サーバー構成がオンプレミスの構成に近く、オンプレミスからの移行に最適です。

グローバルナレッジでは、4月からSoftLayerの研修を開始します。パブリッククラウドのIaaSとしては、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureが有名ですが、IBM SoftLayerも検討してみてください。

ところで、SoftLayerは、3つのネットワークに固有の色を割り当てています。

  • パブリックネットワーク…赤
  • プライネートネットワーク…青
  • 管理ネットワーク…緑

SoftLayerのコースを担当した米国人講師によると「ホワイトボード用のマーカーとして常備されている色だから」ということでした。

もちろん実際は逆で、印象に残る3つの色が赤青緑(光の三原色)で、それにあわせてマーカーもSoftLayerも色を決めたのでしょう。