ラベル AWS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル AWS の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2019年7月28日日曜日

「クラウド市場シェアナンバーワン」に意味はない

「AWSが世界のクラウドサービス市場で首位陥落、マイクロソフトが逆転」というニュースが入ってきて、正直ちょっとあわてました。

AWSがクラウド業界のリーディングカンパニーであることは間違いなく、それを追うのがマイクロソフトという構図は変わっていません。また、市場シェアはAWSのざっと半分がAzureというのが一般的な見解です(調査会社によっては4倍程度まで開きます)。

「AWS vs. マイクロソフト」つまり、SaaSを含む全クラウドの売り上げを集計すると、僅差でマイクロソフトが勝ったということです。逆にいうと、ほとんどSaaSを持たないAWSが、僅差で2位というのはいかにAWSが支持されているかの証拠でもあります。

SaaS (Software as a Service) はクラウドの一種ではありますが、利用者の意識はちょっと違うように思いますし、IT技術者の意識もSaaSは区別して考える場合が多いようです。

AWSは最近までSaaSには手を付けていませんでした。マイクロソフトはIaaSとPaaSをAzureとして提供していますが、SaaSは別ブランドです(たとえばOffice 365)。IBMも、IaaSのSoftLayer、PaaSのBluemixを統合しIBM Cloudとしましたが、SaaSは別ブランドです。

SaaSを特別扱いするのは、それがビジネスと直結しているからです。電子メールやドキュメントツールくらいなら、会社による違いはそれほどありませんが、会計システムだと業界ごとの差は大きく、会社ごとの独自性もあります。

マイクロソフトもAWSも、業務に直結したアプリケーションの提案は、ビジネスパートナーの仕事です。マイクロソフトはDynamics 365というERPクラウドを持っていますが、これはクラウドプロバイダーとしてはかなり珍しい存在です。

ただ、近頃のSaaSはアプリケーションから利用するためのAPIが公開されており、実質的なPaaSとして利用できます。CRM(顧客管理)のSaaSで有名なSalesforceは、Salesforce CRMの動作基盤をPaaSとして利用できます。このように、SaaSとPaaSの区別はあまりなくなってきています。

このように、SaaSは定義的はクラウドですし、実体としてもPaaSに寄ってきたので、名実共にクラウドの一種ではあります。

それでも、現段階でSaaSをIaaSと同列に並べるのはちょっと抵抗を感じます。

そういうことを感じながら、「AWS首位陥落」という表現はちょっと違うなあと思いながら書いた記事がこちらです。

クラウド市場シェアナンバーワンはどこだ?~AWS vs. マイクロソフト~

2019年6月9日日曜日

AzureとAWSの可用性ゾーン(AZ)

Microsoft Azureの「可用性ゾーン(AZ)」が東日本で利用できるようになっています。西日本はもう少しかかりそうですが、いずれは利用できるようになるそうです。

AzureのAZは、リージョンあたり3つと決まっています。AWSは「2つ以上」だったでしょうか。

Azureのリージョン間は数百Km以上離れているので非常に安全ですが、少々距離が遠すぎます。一方、AZ間の距離は(同一リージョン内の)数十Kmと、かなり短くなっています(AWSと同程度です)。阪神大震災でも40Kmも離れればほとんど影響はありませんでしたから、実用上はAZで十分でしょう。

従来の可用性セット(AS)は、最短でサーバーラックが分離されるだけですから、大規模災害に対しては少々不安が残ります。災害リスクを考えるとAZが必要でしょう。また、日本に関しては、可用性セットで分離できる障害ドメイン(サーバーラック)は2つですから、障害範囲に関しても現時点ではAZの方が有利なようです。

ただし、AZは仮想マシンを作るときにゾーンを明示的に指定する必要があります。それに対してASは「とりあえず同じASにする」という設定で、適当に分散してくれます。何も考えなくてもいいので、ASの方が設定は楽です。

以上のことから、災害対策を想定する場合はAZ、ハードウェア障害を想定する場合はASと使い分けるのがいいようです。なお、Azureでは災害対策にはASR(Azureサイトリカバリ)も利用できます(ASRはリージョン間の複製です)。ASRを使っているならAZを使う必要はないでしょう。

また、「AzureのAZはAWSのAZと同じ」という説明がされていますが(私もしています)、実際には違いもあります。

AWSでは、AZ単位でサブネットを分割する必要があります。これに対して、Azureでは同一サブネット内に異なるAZのサーバーを配置できます。

もっとも、AZが違えばデータ伝送遅延時間が違うので、異なるAZを同じサブネットにするのが適切かどうかは分かりません。AWSと同じように、異なるAZは異なるサブネットにした方が分かりやすいのではないでしょうか。

試しに、複数のAZに複数のサブネットを構成してpingを実行してみました。Windowsのpingは応答時間の分解能が低いのでLinux(Ubuntu)を使っています。

図のように、AZ内では1ミリ秒程度、AZ間では2ミリ秒程度の遅延がありました。サブネットの有無は速度に影響しません。これもAWSと同様のようです。

アプリケーションにとっては1ミリ秒と2ミリ秒の違いが重要な場合もあるので、サブネットを自分で分けた方が分かりやすそうです。

2017年6月7日水曜日

仮想マシンの利用料金の試算(AWS、Azure、Bluemix)【追記】さくらインターネットの場合

パブリッククラウドで最も高価なサービスは、やはり仮想マシンでしょう。

クラウド各社の仮想マシン(またはベアメタルサーバー)の利用料金を試算してみました。Azureは1分単位、AWSやBluemix Infrastructureは1時間単位の課金ですが、今回は比較を簡単にするため1ヶ月の課金にそろえました。

AWSはいつも「安い」と言われますが、安いのはネットワークとストレージであって、仮想マシンはそれほど安くないことが分かります。ただし、仮想マシンには豊富な割引オプションがあるため、運用によってはかなりコストを削減できます。

逆に「高い」と言われるBluemix Infrastructureが案外安くなっています。Bluemix Infrastructureが高価なのはネットワーク機器などのアプライアンス製品なので、単純にサーバーを構築するだけだったらそれほど高価ではないことが分かります。

ただし、Bluemix Infrastructureは可用性に関する考え方が違うので、サービスレベルを他社と同列に扱うことはできません。


【仮想マシン要件】

  • サーバー…4コア、8GBメモリ
  • ディスク…128GBシステムディスク + 1TBデータディスク (1,000 IOPS)
  • ネットワーク…月間500GBのアウトバウンド通信
  • データセンター…東京(東日本)
  • OS…Windows Server 2016 Standard (AzureはDatacenter)

【計算資料】

各社のサーバー性能は以下の通りです。ここでは、これらのパラメータを考慮せずに計算します。なお、AWSとAzureの性能あたりコストはほぼ同等というベンチマーク結果があります。


【AWSでの試算】

1ヶ月744時間として、以下の構成で$531/月、6万円/月くらいでしょうか。ただし、AWSには豊富な割引オプションがあり、仮想マシンは最大75%の割引があります。

なお、AWSの汎用SSDは10.000 IOPSを実現できるので、汎用SSDで計算しました。

  • サーバー: $324…c4.xlargeサイズ(4コア、7.5GBメモリ)
  • システムディスク: $15...汎用SSD($0.12/GB) × 128GB
  • データディスク: $122…汎用SSD($0.12/GB) × 1024GB
  • アウトバウンド通信:$70…0.14/GB×499GB(無料枠は1GB)

c4.xlargeサイズは16 ECUなので、コアあたり4 ECUとなります。Azureの場合はコアあたり210~250ACUなので、4×46=186ACUのCPUとほぼ同等の速度と考えられます。


【Azureでの試算】

1ヶ月744時間として、以下の構成で41,463円/月になります。Azureのハードディスクは500IOPSなので、2台構成のRAID-0で1,000IOPSを実現します。

  • サーバー: 33,087円…F4サイズ(4コア、8GBメモリ)
  • システムディスク: 300円...128GB管理ディスク(S10)
  • データディスク: 1,109円…512GB管理ディスク(S20)× 2
  • アウトバウンド通信:6,967円…14.08/GB×495GB(無料枠は5GB)

SSDにすると以下のようになり、58,222円に上がります。なお、SSDは高速なのでシングルディスクで構成しました。

  • サーバー: 33,087円…Fs4サイズ(4コア、8GBメモリ)
  • システムディスク: 2,312円...128GB管理ディスク(P10)
  • データディスク: 15,854円…1024GB管理ディスク(P30)
  • アウトバウンド通信:6,967円…14.08/GB×495GB(無料枠は5GB)

F/FSシリーズはコアあたり210~250ACUなので、c4.xlargeの186よりも少し速くなります。


【Bluemix Infrastructureでの試算:仮想マシン】

以下の構成で$299.02/月、34,000円くらいでしょうか。

  • サーバー:$68…4コア(2 GHz)パブリック仮想マシン
  • メモリ: $86…8GBメモリ
  • システムディスク: $4.52...100GB SATA
  • データディスク: $64…500GB SAN × 2
  • OS: $50…Windows Server 2016 Standard
  • パブリックIPアドレス: $4…4個
  • アウトバウンド通信:$22.5…$0.09/GB×250GB(仮想マシンの無料枠は250GB)


【Bluemix Infrastructureでの試算:ベアメタルサーバー】

以下の構成で$492/月、55,000円くらいでしょうか。

  • サーバー:$153…Intel Xeon E3-1270v3 4 コア(3.50 GHz)
  • メモリ: $86…8GBメモリ
  • システムディスク: $27...1TB SATA
  • データディスク: $186…960GB SSD(最小構成)
  • OS: $36…Windows Server 2016 Standard
  • パブリックIPアドレス: $4…4個
  • アウトバウンド通信: $0…月額課金ベアメタルサーバーは500GBまで無料


追記【さくらインターネットでの試算:ベアメタルサーバー】

では、ここでホスティング事業者として有名な「さくらインターネット」のサーバーで試算してみましょう。さくらインターネットでは仮想マシンやクラウドサービスも提供していますが、ここでは一般的なベアメタルサーバーで試算します。

  • サーバー:12,960円+初期費用27,000円…Xeon 4コア(3.4 GHz)
  • メモリ: 0円…8GBメモリ(基本サイズ)
  • ディスク:1,080円+初期費用59,400円 ..1TB SATA × 2
  • OS: 3,240円…Windows Server 2012 R2 Standard

以上の構成で、初期費用86,400円、月額利用料17,280円になります。

つまり、初月は10万円以上かかってしまいます。しかし、4ヶ月間の累計は155,520円となり、1ヶ月あたり38,880円になります。1年間だと累計293,760円、1ヶ月あたり24,480円で、クラウドよりはずっと安くなります。

「クラウドの仮想マシンは、連続稼働を前提にすると、それほど安くはない」という意味をお分かりいただけたかと思います。

2016年8月23日火曜日

NFC0202G

特徴的なクラウド事例やインタビュー記事を集めてきました。

【クラウドの基礎】


【クラウド利用事例】その1


【クラウド利用事例】その2


【クラウド利用事例】その他

  その他にもこんなものがあります。


【開発と運用のアーキテクチャ】

DevOpsなど、開発と運用についてのインタビュー記事です。

【その他資料】

Amazon Web Services編

 

Microsoft Azure編