2011年11月28日月曜日

ブランド戦略~シャープの話~

Computer Worldに「企業イメージとブランド戦略――誰がイメージを作るのか」という記事を書きました。

シャープの話を書いていて思い出したことがあります。

液晶製造で有名な亀山市が何県にあるかご存じでしょうか。この県は、亀山市の他、伊勢神宮、真珠養殖が実用化された英虞湾、鈴鹿サーキット、松阪牛で知られた松阪市などで有名です。

答えは三重県。有名な地域やブランドを数多く抱えている割には知名度が高くありません。県庁所在地も答えられない人が多いのではないでしょうか(答えは「津」)。

県に対して統一イメージを与える必要性は全くありませんし、人為的なイメージ作成は、むしろ歴史や文化に対する冒涜かも知れませんが、「知名度」という点では実に損をしています。

シャープと言えばもうひとつ。1970年の万国博覧会(大阪万博)に出展せず、奈良県天理市に大きな研究所を作ったことでも有名です。コピーは「千里より天理へ」だったそうです。千里丘陵は、万博会場のあった場所で、大阪府豊中市・吹田市・茨木市・箕面市にまたがる地域を指します。

大阪万博でソニーが何か出していたかどうかは記憶にないのですが、松下電器(当時)は竹林を模した会場に、タイムカプセルを展示していました。万博終了後は大阪城公園に埋められているそうです。

東芝は、東芝EMIとしてマルチスクリーンの大画面で映画を映写していました。日立は巨大なエスカレーターで中に入り、フライトシミュレータの操作ができました。サンヨーは「人間洗濯機」という、スポンジボールを入れた洗濯槽見ないな風呂に水着の女性が入っていました(これは写真でしか見てません)。

家電各社が、自社のイメージアップに多大な費用をかけていた時期に、研究所を建てるという経営判断は、長い目で見ると良かったのではないかと思います。

天理の研究所からは、後の電卓戦争を勝ち抜いた半導体技術、現在でも有名な液晶ディスプレイ、そして太陽電池などが生まれました。

このあたりのことは、インプレス社のAV Watch「大河原克行のデジタル家電 -最前線-」の「シャープ、中興の祖である佐伯旭氏が死去 ~千里から天理へ、緊プロなど、エピソードを振り返る~」で紹介されています。