Azure Backup(MARSエージェント)は、Windows ServerのファイルやフォルダーをAzureのRecovery Servicesコンテナにバックアップするサービスです。システム状態のバックアップも可能ですが、ベアメタル回復の機能はありません。
システム状態の復元は可能ですが、ファイルとして復元されるためOSの回復に使うことはできません。
と、今まで説明してきたのですが、Windows Serverバックアップ(Windows Server標準のバックアップツール)を使うことで復元が可能になっています。
ただし、Windows Serverバックアップを起動するためにはWindows Serverが正常に起動することが必要です。新しいサーバーを構成して、そこに上書きする形で復元することも可能ですが、デバイスドライバーの情報も復元されてしまいます。最近のドライバーは自己診断機能があるのか、互換性のないドラーバーが勝手に起動して不具合を起こすようなことは滅多にありませんが、念のため同じハードウェア構成のマシンに復元してください。
- Azure BackupでSystem State(システム状態)を別の場所に復元
この時点で、レジストリなどの情報がファイルとして復元される。 - 復元した場所を共有(※ポイント1)
- Windows Serverバックアップで復元作業を開始
- システム状態の復元を選択し、共有を指定(※ポイント2)
Windows Serverバックアップは、MARSエージェントのバックアップ情報を直接読み取ることができません。そのため、いったん別の場所に復元します。たとえば、復元先にE:\BACKUPを指定した場合、以下の階層が作成されます。
E:\BACKUP\C_vol\Program Files\Microsoft Azure Recovery Services Agent\Scratch\SSBV
復元したファイルを指定するには、ネットワーク共有として指定する必要があるため、復元ファイルを含むフォルダーを共有します(※ポイント1)。
この時指定する共有名は110文字以内に収める必要があります。そこで、上記の例だとSSBVフォルダーを共有します。
たとえばサーバー名が「SERVER」で、SSBVフォルダーを既定値で共有した場合、復元時には以下のように指定します。
\\SERVER\SSBV
Microsoft Learnには具体的な手順が記載されていますが、復元手順はWindows Serverバックアップの別のドキュメントを引き写しただけのようで、フォルダーの指定が適切ではありませんでした。単純に復元先の共有フォルダーを指定するだけではエラーになります。