寡聞にして木村泉先生が昨年お亡くなりになっているのを存じ上げませんでした。一般にはあまり知られていないかもしれませんが、計算機科学界隈で大変有名な方です。たとえは、情報処理学会2011年度功績賞も受賞していらっしゃいます。もしかしたら、ワインバーグ氏の一連の著書の翻訳者として認識している方が多いかもしれません。
大学の時、先生が翻訳された「プログラム書法」を読んで、「そうかコードはこう書くのか」と思っていたら、授業では構造化どころか最適化コンパイラの動きも無視していて失望したものです。
追悼文を読んでいると、先生の最初の著書は3名の共同ペンネームで出版された「計算機科学の発想」だそうで、知りませんでした。
古い本ですが、とても面白い本で、実家から持ち出してきた数少ない書籍です。
木村先生は一度だけ情報処理学会の全国大会でお見かけしたことがあります。というより、座長の名前を知って先生を見に行ったようなものですが。
「FORTRANの可読性を上げるツール」の発表では、当時でも(1985年かな?)もう時代遅れになっていた(でもユーザーは相変わらず多い)言語のせいか質問もなく、木村先生が「そんなツールが出たらFORTRANの寿命がますます延びてみんな困るんじゃないでしょうか」と発言して場内を笑わせてました。
お亡くなりになって、もうすぐ1年だそうですが、改めてご冥福をお祈りいたします。