2014年1月15日水曜日

書籍紹介「プロが教えるWindows Server 2012システム管理」

MVPとしての活動報告をまとめていたら、この本がちょうど出版1年だったことを思い出しました。重版されて欲しいので、改めて紹介します。

プロが教えるWindows Server 2012システム管理
(アスキー・メディアワークス)

いろいろ説明するより、前書きを読んでもらった方がいいでしょう。

私は全体の監修と仮想化部分、第1章Windows Server概要、第11章Internet Information Servicesを担当しました。


本書は、マイクロソフトのオペレーティングシステム「Windows Server 2012」につ
いて解説したものである。「PC サーバー」としてスタートしたWindows NT は、バー
ジョンを重ねるたびに企業の基幹システムに必要な信頼性と拡張性を備えるようになり、現在ではUNIX/Linux と並んで、小規模な部門サーバーから企業の基幹システムまで広く採用されるようになった。

ただし、本書の読者層としては、比較的小規模な環境でWindows Server を利用する
システム管理者および、システムエンジニアを想定している。大規模環境では、IT ベン
ダーとのつきあいも深く、適切なサポートを受けている可能性が高い。それに対して、
小規模な組織では本書のような参考書に頼る割合が高いと判断したためである。

前提知識としては、Windows の操作経験に加え、OS とネットワークの基本的な知識
を想定しているが、初学者にもできるだけわかりやすいように配慮し、必要に応じて注釈や補足説明を加えた。また、若干冗長になっても、重要な概念は繰り返し説明している。

Windows Server の管理経験は前提としていないが、Windows Server 2012 の新機能
や、旧バージョンからの変更点については特に重点的に解説した。ただし紙幅の都合で、TCP/IP の一般的な技術など、Windows 固有ではない技術については十分な解説ができなかった。TCP/IP はインターネットの中核技術であり、Windows にとっても重要な技
術である。別途、適当な参考書で学習することをお勧めする。

Windows Server 2012 は、Windows 8 にあわせて操作性も大きく変わっているが、こ
れについては最小限の記述にとどめた。Windows 8 の操作体系は賛否両論あるが、コン
シューマー向けのPC はWindows 8 に移行することが必然であり、1 年もすれば違和感は
なくなるはずである。そうなれば、コントロールパネルの起動方法や、ログオフやシャットダウンの手順を長々と解説する意味はなくなる。現時点では、必要に応じてWindows 8 の参考書を参照してほしい。

本書は、3 部構成となっている。いくつかの内容は相互に関連しているため、順番に
読む必要はなく、興味のあるところだけを読んでいただいてかまわない。ただし、「第2
部Active Directory 編」は、Windows Server のセキュリティ原則を理解するためにき
わめて重要なパートなので、第1 部や第3 部を読んだあとでかまわないので、すべてに
目を通してほしい。

第1 部では、サーバー管理全般を扱う。インストールから基本構成まで、第1 部を読め
ばサーバーのひと通りの設定ができるようになるはずである。第1 部の各章は重複する
部分が少ないため、興味のある章だけを読んでいただいてかまわない。たとえば、サー
バーベンダーによってプリインストールされたWindows Server を使う場合、インストールの章を読む必要はないだろう。

第2 部ではActive Directory について解説し、ユーザー登録やセキュリティ管理の基
礎を扱う。マイクロソフト製品の多くは、Active Directory を前提に設計されている。
Windows Server 2012 も、Active Directory が必須となっているサービスは多い。ぜひ
全体に目を通してほしい。

第3 部は、仮想化について解説する。仮想化は、昨今のIT 業界でもっとも重要な技術
である。Windows Server にはさまざまな仮想化技術が採り入れられており、組み合わ
せて使うことも可能だ。興味のない部分であっても、新しいビジネスのヒントがつかめ
るかもしれない。できれば全体に目を通してほしい。

さて、ここで執筆担当者の簡単なプロフィールを紹介しておこう。第1 部を担当した
横山、河野、片岡、浅野、伊藤、神谷の6 名は、マイクロソフト認定トレーナー(MCT)
として、IT プロフェッショナル向けの講習会を担当している。何人かはマイクロソフト
が主催する各種技術カンファレンスの常連講師でもある。本書の執筆には、講習会を通
して多くのお客様と話をした経験が活かされている。

第2 部を執筆した小鮒、国井の2 名は、「マイクロソフトMVP」として表彰されて
いる。「マイクロソフトMVP」とは、コミュニティ活動を通してマイクロソフトの技術
を広く伝えることに貢献した人を表彰する制度のことである。表彰期間は1 年で、毎年
審査が行なわれ、専門分野ごとに認定される。小鮒は2003 年から2012 年までの10 年
間、国井は2006 年から2012 年の7 年間にわたってDirectory Services、つまりActive
Directory の専門家として認定された。両名は日本でも有数のActive Directory の専門
家ある。第2 部だけでも、本書の価値は十分あるだろう。なお、国井はマイクロソフト
認定トレーナー(MCT)でもある。

第3 部は、監修者を兼任して横山が担当した。横山は、2003 年から2011 年の9 年間
のあいだDirectory Services 分野の「マイクロソフトMVP」だった。2010 年ごろから
仮想化の仕事が増えたため、2012 年はVirtual Machines(Hyper-V)に専門分野を変更
した。Windows Server 2012 は、Hyper-V について特に多くの機能拡張が行なわれてい
るが、紙幅の都合ですべてを網羅することができなかったことが残念である。

本書には、書籍としての構成上の理由から記載を省略した機能も多くある。最後まで
議論したのは、高可用性を実現するための機能「フェールオーバークラスター」の扱いである。この機能は、Windows Server 2008 R2 まで上位版のエディションのみに含まれていた。本文中でも記載したとおり、Windows Server 2012 ではDatacenter とStandard
の各エディションで機能差がない。また、フェールオーバークラスターを構築するのに
不可欠な、ストレージ機能も標準となった。そのため、フェールオーバークラスターの
構築には、上位版であるEnterprise Edition やDatacenter Edition を調達する必要もな
ければ、SAN 製品を購入する必要もない。しかし、本書では小規模環境において高可用性の実現は一般的ではないと考え、解説を割愛した。

内容の取捨選択は、監修者である横山が最終決定を行なった。万一、重要な機能の解
説が欠落していたとしたら、すべて横山の責任である。

本書の執筆にあたり、グローバルナレッジネットワーク株式会社の山本晃氏からは、
ネットワーク技術について多くの助言をいただいた。また、筆者らの多くが所属するグ
ローバルナレッジネットワーク株式会社ソリューション1 部部長の福田真紀子氏には、
執筆作業に対し多大な配慮をして頂いた。ただし、本書の内容は勤務先とは無関係であ
り、あくまでも個人としてかかわったものである。

また、アスキー・メディアワークスの臼田良寛氏には、筆者たちの遅筆につきあい、適
切なコメントをつねに与えていただいた。深くお礼を申し上げたい。

2012 年12 月1 日
執筆者を代表して横山哲也

2014年1月4日土曜日

お客様を笑顔にするのが良い仕事

あけましておめでとうございます。

昨年、ある会社の新人研修の総まとめで、役員のスピーチがありました。中でも印象に残っているのが

お客様が笑顔になるのが良い仕事

という言葉です。

今までできなかったことができたり、難しかったことが簡単になったりするのがITの力です。その笑顔は、エンジニアには向けられないかもしれないけれど、笑顔の横顔を見たり想像したりできれば、その仕事は「良い仕事」です。

まっとうな職業で「笑顔にしない仕事」なんてあるのか、と思う方もいるかもしれませんが、残念ながら使い方によってはあります。

ITというのは本質的に省力化の技術です。仕事を楽にする方向に使えば笑顔になりますが、人為削減に使うと笑っていられません。

そういえば、最近また「人工知能が人間の職業を奪う」という議論が出てきました。「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉は1956年の「ダートマス会議」で生まれました。余談ですが、artificialとintelligenceの組み合わせは非常に不自然な語感なんだそうです。そこをあえて採用したと何かの本に書いてありました。

当時は米ソ冷戦の最中、ダートマス会議の翌年、1957年にはソ連が世界初の人工衛星「スプートニク」を打上げるなど、米国民の不安は増大していた次期です。人工衛星の打ち上げ技術は大陸間弾道弾の技術とほとんど同じです。

そういうわけで、ソ連の技術を学ぼうという意識と人工知能が結びつき「機械翻訳」の研究が進みました。そして「機械翻訳が成功すれば翻訳者がいなくなる」と言われました。

実際には(当時の)機械翻訳は失敗しますが、人工知能の研究は続けられ、1980年代の「エキスパートシステム」で再び脚光を浴びます。そして「専門家がいらなくなる」という意見が出るのですが、もちろんそんなことはありませんでした。

最近、また人工知能ブームだそうですが、おそらく人間にとって代わることはないでしょう。私の修士論文は人工知能の分野だったのでよく分かりますが、人工知能っていうのはそんなに簡単なものではないんです。

ですが、ITのもっと地味な分野では確実に省力化が進んでいます。経営者によっては、ITを人員削減の手段として使うでしょう。

クラウドの利用も同じリスクがあります。既に提供されているサービスを使うだけで、構築する必要がないのですから人件費は大幅に削減できます。

ITやクラウドに関わる者としては、人減らしではなく

仕事が楽になり、勤務時間が減り、給料はそのまま

としたいものです。夢のような話ですが、新年の抱負にしたいと思います。もちろん実現可能な目標ではありませんので、意識付けの話ではありますが。

でも、そもそも、産業革命以前はこんなに長時間労働をしていなかったはずなんですよね。

2013年12月31日火曜日

2013年の総括

2013年、良かったことを書きます(悪かったことは心に留めます)。
 
仕事とプライベートの境界では、書籍が2冊出ました。

編集の方にはいろいろご迷惑をおかけしましたが、常識的なスケジュール遅延で出版できたことに対して、共著者の皆さんと編集の方に感謝します。

あこがれの出版記念パーティもできました。ゲストはなんと武道館アーティストです(出版記念パーティを開きました(追記あり) )。

仕事面では、ある会社ののクラウドコンピューティング教育について、テキスト作成と実施を請け負い、高い評価をいただきました。

日頃思っていることをそのままぶつけたら、そのまま高く評価していただいたので、大変喜んでいます。そして、おかげさまで、来年も引き続き担当することになりました。

2014年、Windows Server 2003からWindows Server 2012 R2への移行と普及の年になると予測しています。また、仮想化の主戦場はハイパーバイザーから本格的にシステム管理製品へと移行するでしょう。またストレージの重要性がさらに高まるとともに、SMB 3.0ベースのNASを使ってストレージの再設計が行なわれると思われます。2013年から始めたNetApp社の講習会が生きてくるはずです。

2013年、お世話になった方に感謝しつつ、2014年を笑顔で迎えましょう。

2013年12月16日月曜日

ITIL参考書とADMT

全然関係ない2つの話です。

ITILの参考書を紹介したあと、もう1冊出てきたITIL関連の研修を担当してる同僚に、参考書を推薦してもらいました。元記事には追記しましたが、最新エントリしか見ていない人もいらっしゃると思うので再掲します。


そして、もうひとつはADMT (Active Directory Migration Tool) の話。

ADMTは、移行元と移行先のActive Directoryのバージョンについては広範囲にサポートしますが、インストール先OSのバージョン依存性が高いことで知られています。

Windows Server 2012 R2に対応したADMTは現在テスト中で、「来年第1四半期に出せたらいいな」という状況のようです。それまでは、移行元の別のOSにインストールして切り抜けてください。

参考: An update for ADMT, and a few other things too.

2013年12月13日金曜日

ITILの参考書(12/16追記あります)

近年、「DevOps」というキーワードに代表されるように、開発(Dev)と運用(Ops)を一体として考えるべきだという意見が出てきました。

そういえば、数年前のマイクロソフトの技術イベントTechEdの基調講演では寸劇が披露され、開発者と運用管理者と利用者が、お互いに相手の悪口を言うというシーンがありました。

本来、この三者は対立するものではなく、共通のビジネス目標を持つはずですが、しばしば対立することも事実です。

一方で、システム運用管理のベストプラクティス集としてスタートしたITIL(Information Technology Infrastructure Library)は、サービスライフサイクルの概念が導入され、開発者にとっても重要な地位を占めるようになりました。これからの開発者はITILを理解して、ITをサービスとして考え、開発から運用までを一体として設計する習慣をつけてください。

ということを、よく講義でお話しします。そして、グローバルナレッジはITIL関連の研修も提供しています。しかし、研修は費用も時間もかかるるため、とりあえず概要だけ分かればいいという方にとっては少々もったいないかもしれません。

そこで、ITIL関連の研修を担当してる同僚に、参考書を推薦してもらいました。

ITIL V3実践の法則

ざっと見ましたが、平易な文章で図が多く、入門書としては適切だと思います。


【追記】
別の講師にも聞いてみたところ、以下の本を薦められました。私はまだ見ていませんが、こちらの方が詳しそうです。

ITIL入門 ITサービスマネージメントの仕組みと活用

2013年12月11日水曜日

キーバリュー型データストアの利用例

先日、ある会社向けにクラウドコンピューティングの概要についての研修を実施しました。そこで、KVS(キーバリュー型データストア)の利用例についての質問がありました。

KVSは、RDBのような標準化が行われていませんし、そもそも標準化ができるほど枯れた技術でもありません。ここは注意してください。

検索するといろいろ出てきますが、分かりやすかったのは、「ソーシャルアプリにおけるKVSの利用事例」(株式会社gumi堀内康弘)です。

その他、AWS (Amazon Web Services)のWebサイトには以下のような事例がありました。

やはり、ソーシャルメディアのような「単純だが量が多い」データに対する利用例が多いようです。

2013年11月19日火曜日

Windowsにインストールされたアプリケーションの一覧

職場では、クライアントPCの入れ替えが始まっています。旧PCはWindows 7、新PCはWindows 8.1です。「できる人はセルフサービス」ということで、私は自分で移行作業をしました。

1l回限りなので、コマンドベースのUSMTではなく、転送ツールを使いました。今の転送ツールは移行元(旧PC)用の転送ツールを生成する必要はなく、Windows 7の転送ツールを起動すれば転送が完了しました。なお、新旧PCをネットワークやUSBケーブルで直結する機能はなくなったようで、データをどこかに保存する必要があります。

転送ツールはデータやアプリケーションの設定を移行してくれますが、アプリケーションそのものは移行してくれません。今回は、Windowsの設定情報も移行できませんでした。

インストール済みアプリケーションの一覧はPowerShellで簡単に入手できると思っていたのですが、WMIを呼び出す必要があるようです。

結局、以下のコマンドでアプリケーションの一覧を入手しました。

Get-WmiObject -Class Win32_product | sort-object -property vendor | Format-table -AutoSize -property vendor,name,version,caption

  • Get-WmiObject -Class Win32_product…アプリケーション一覧
  • sort-object –property vencor…タイトル行見出し vendor で並べ替え
  • Format-table -AutoSize -property vendor,name,version,caption…表形式 の出力を、自動桁揃えして見出しのvendor,name,version,captionの順に出力

Get-InstalledApplicationみたいなコマンドがあると思ったのですが、ないみたいです。