Microsoft Azureの研修を実施中、仮想マシンへの接続遅延について質問されました。
パブリッククラウドの場合、接続遅延はインターネットサービス(ISP)の影響が大きいため、一般的な値を示すことはできません。
とは言え、実際に使っての値を知りたい気持ちは分かります。そこで、実測してみました。
接続環境は、教育コース「Microsoft Azureによるサイト間ネットワークの構築」をそのまま使いました。これは、Hyper-V上のWindows Server 2012 R2仮想マシンのRRAS(Routing and Remote Access)を使ってVPNサーバーを構成したものです。
接続先は西日本のデータセンターで、接続元はグローバルナレッジの東京教育センターです。
確か、以前試したときは30ミリ秒くらいあったように思うのですが、ご覧の通り13ミリ秒程度です。
ところが、東日本のデータセンターと比較するの忘れてしまったので、もう一度仮想マシンを作りました。
残念ながら、ネットワーク設定もすべて削除したあとだったので、VPN接続も消えています。改めて作るのも面倒なので別の方法を使うことにします。
仮想マシンの構築は簡単にできます(クラウドのいいところです)。しかし、pingで使っているICMPを通すのは結構面倒です。そこで、SysInternalsのツール「PsPing」を使いました。これは任意のTCPまたはUDPポート番号を指定して接続テストを行うツールです。
結果
▼西日本
VPNサーバーを経由していないせいでしょうか10ミリ秒程度になりました。3ミリ秒ほど高速になっています。
こんなに早いとは思いませんでした。また、西日本とこれほど差があるとも思いませんでした。
「西日本と東日本は、そんなに差がないし、仮想マシンが少し安い西日本がいいですよ」と聞いていたんですが、これだけ遅延が小さいと考えますね。
ついでに、あまり迷惑にならない範囲でめぼしいサーバーにアクセスして見たところ、軒並み高速になっており、見たことのない小さな数字が並びました。
どうも、会社で契約しているインターネット接続回線の品質が上がっていたようです。インターネット接続回線の速度測定は、本当に当てになりません。
【追記】自宅から試しました
自宅から試したら、以下のような結果になりました。
- 西日本…16ミリ秒程度(ただしパケットサイズが小さいときは一時的に25ミリ秒ほどになりました)
- 東日本…8ミリ秒程度
ブロードバンドルーターのオーバヘッドが5ミリ秒くらいあるのでしょうか。