2013年9月25日水曜日

WordpressOnAzureを見て、ITエンジニアの明日を思う

マイクロソフトが提供するパブリッククラウドサービス「Windows Azure」を見ていると、ITエンジニア、特にサーバーOS担当のエンジニア(インフラエンジニア)の行方が気になります。

私、仕事では「クラウドコンピューティング概要」という1日研修を担当しています。

研修では、パブリッククラウドのデモとして、たいていAmazon Web Services (AWS) とWindows Azureをお見せします。お客様はクラウドの初心者ですが、ITのベテランなので、OSがそのまま見えるAWSなどのIaaSが分かりやすいようです。

Windows Azureのデモは、単なる仮想マシンに加えて、最近必ず見せているのが「ギャラリー」という、一種のテンプレートから作成するWebサイトで、特にCMSとして人気のあるWordPressを例に出しています。

このデモは、特にインフラ系のエンジニアに対するインパクトが大きく、この間は「私の仕事は、もうなくなるのでしょうかねえ」と言われました。

公式な回答としてはこんな感じです。

  • なくなりはしないが、縮小します。
  • ただし、ランプが電球になっても、照明という目的は変わらないように、オンプレミスからクラウドになっても、アプリケーションを実行する基盤という役割は変わりません。

漫画家の水木しげる氏は、もともと紙芝居作家でした。でも紙芝居作家から漫画家に転身できた人は少なかったそうです。

どちらも絵があって、台詞があって、同じようなものだと思うのですが、漫画はペンで書き、紙芝居は筆で描くのだそうです。そして、多くの紙芝居作家は「ペンでなんて描いてられるか」と言って、道具を変えなかったという話です。その結果、紙芝居とともに紙芝居作家の寿命も尽きたと、水木しげる氏がインタビューで語っていました。

クラウドの登場で、ITインフラ技術者、つまりサーバーとネットワークのエンジニア、特にサーバーエンジニアの「価値」は何かということを正面から考えなければならない時代になりました。

さて、ITインフラ技術者にとって、何がそんなにショックだったのか、ちょっと見てみましょう。

WordpressOnAzure

ギャラリーには、WindowsベースのMicrosoft .NETだけでなくPHPベースのものも並んでいます。WordPressはデータベースとしてMy SQLを使うことから分かるようにWindowsベースではありません。マイクロソフト製ではないソフトウェアも積極的に扱っているのがWindows Azureの特徴です。

WP-1

Webサイトの構築はほんの数分でできます。そうしたら、あとはWordPressの管理画面で設定をするだけです。

WP-3

でも、このブログで主張したいことはそんなことではなく、Windows Azureに備わった構成オプションの方です。

WP-2

自動スケーリング機能により、日中と夜間、平日と週末で異なるインスタンス数(仮想マシン数)を設定できます。

もちろん、使っただけはお金を払わないといけないので、デモでは設定したあと必ずキャンセルをしていますが(笑)、設定できることは分かるでしょう。

通常、これだけの設定をするにはかなりの手間が掛ります。特に、スケーリングの設定は結構大変です。Windowsベースの製品だったら、複数のサーバーにOSをインストールし、フロントエンドとしてネットワーク負荷分散を構成し、バックエンドのデータベースを使うように各サーバーを構成します。それほど難しいということもありませんが、一手間かかります。

WordpressOnAzureを使えば、一連の作業がほんの数分でできるのです。

なくなって欲しい仕事と、なくなって欲しくない仕事

「そもそもITは失業者を生む技術だ、現在のクラウドはIT業界にITを適用した結果(IT業界の失業者が生まれる)」

と言う人がいます。でも、私はそうした表現には反対です。

確かにITによってなくなった仕事はたくさんあります。日本で最初のコンピューターは、富士フイルムがレンズ設計用に自社開発したものです。おかげで、計算技師(当時は彼/彼女らをcomputerと呼んでいました)の仕事の多くがなくなりました。

しかし、計算尺と数表を使って計算することが、本当にやりがいのある、楽しい仕事だったでしょうか(計算尺と数表の分からない人は、宮崎駿の最新劇場アニメ「風立ちぬ」を見てください)。

クラウドによってIT、特にインフラ系の仕事が減ることは確かでしょう。でも、そこで減った仕事は、実は機械的な作業で、人間がすべきことではないのではないかと思うのです。

かつて「計算」というのは高度に知的な作業で、機械にはできないと思われていた時代がありました。今でも暗算が速いと「頭がいい」と思う人がいます。でも、計算そのものは機械的な作業です。

SF小説「レンズマンシリーズ」の外伝に「渦動破壊者」という作品があります。1960年に公開されたこの小説では、主人公が頭のいいことを示すために「難しい計算ができる」という表現があります。さすがに四則演算ではないでしょうが、それでも「計算」と「知性」が結びついていることは分かります。

余談ですが、「人工知能」という概念が登場したのも「コンピュータは計算ができる」「計算ができる人は頭がいい」「コンピュータは頭がいい」と誤解されたのが始まりではないかと思っています。

話がそれました。

Windows Azure、特にギャラリーを見ていると、今まで知的な作業だと思われていたことが、実は機械的な作業であることが分かります。クラウド時代、ITエンジニアは、機械的な作業が減り、より高度な知的作業に専念できるようになるわけです。

でも、「より高度な知的作業」って、具体的に何なんでしょうね。「クラウドコンピューティング概要」では、その答えを出すことはできませんが、ヒントのひとつでも提供できているのではないかと自負しています。

追記

Windows Azureとえいばクラウディア窓辺さん、そしてこのブログはJapan Windows Azure Users Group (JAZ)のキャンペーンに参加しています。JAZのイメージキャラクタと言えば猫。

というわけで、クラウディアさんと猫とSurface RTです。Surface RTは通常のWindowsアプリケーションは動作しませんが、Webブラウザがあるため、クラウドの利用は可能です。

DSC00613S

ところで、クラウディアさんのスカートは青空(Azure)に、雲(Cloud)のグラデーションなんですね。気付きませんでした。

2013年9月15日日曜日

オリンピックとITシステム

近年のオリンピックは、ITとも強い結びつきがあります。過去のオリンピックを振り返りながら、2020年の東京オリンピックのシステムを予想してみましょう。

●1964年東京オリンピック

1964年の東京オリンピックでは、競技データの集計システムを日本IBMが担当しました。

当時はバッチ処理全盛期、というかほとんどバッチ処理しかなかった時代、やっと米国のレーダー防衛網システムSAGEや、それを応用した航空券予約システムSABREができた頃でした。

レーダー網と航空機、一見違うものですが、SAGEがレーダー基地からの情報を集計していたのに対して、SABREは旅行代理店からの情報を集計しており、本質的には同じものです。

日本の列車予約システム「MARS」ができたのもこの頃です。ちなみにSABREは座席数の管理しかしていなかったそうですが、MARSは座席番号の予約もできたという話です。

SAGEやSABREの開発には米IBMが関与しており、日本IBMもそのノウハウが使えると考えたようです。しかし、当の米IBMもプロジェクトの成功には懐疑的だったと伝わっています。

詳しくは、Webサイト「大規模プロジェクトの開発──東京オリンピックのシステム構築──」などをご覧ください。

データベース理論もなかった時代、同じデータを2台のサーバーに同時書き込みしていたそうで、苦労が想像されます。今ならデータベースレプリケーションなんてほとんど基本機能になっていますが。

情報処理学会の学会誌「情報処理」1965年3月号に掲載された「オリンピックと情報処理」にはプロジェクト規模の概要が紹介されています。これによると、オリンピックのコンピュータ導入は東京の前、1960年のスコーバレー(カリフォルニア州)冬季五輪からだそうです。

東京オリンピックのシステムは成功し、これが日本の銀行のオンライン化を後押ししたと言われています。それまでは「コンピュータのような信頼性の低い機械に銀行業務を任せるわけにはいかない」と思われていたそうです。

ところで、このブログを書くのにいろいろ検索していたら「世界初のオンラインシステムが日本で動いた」という記事を見つけました。少々誤解を招く記述があったので、補足しておきます(この補足が役立つかどうかは分かりませんが)。

まず、「MARS」が世界初のオンラインシステムとなっています。前述の通り「座席予約」としては世界初ですが、MARSの数か月前にSABREが動作していますし、軍事用にはSAGEもありました。

次にMARSがベンディックス社のコンピュータを使っているように読み取れる箇所がありますが、少なくともMARSに関しては参考にした程度で実際のコンピュータは日立製作所が担当しています。また、レミントンランド(後のユニバック、現在のUNISYS)社の関与が示唆されていますが、MARSに関しては無関係のはずです。

当時の日本法人はコンピュータのブランドを付けた「レミントン・ユニバック」でしたが、もともとはレミントン・ランドという社名でした。本文に説明なしに登場する「RR」は「レミントン・ランド」の略称と思われます。

●1972年札幌オリンピック

すみません、見出し付けましたが札幌とITの関係はよく知りません。ちなみに、当時は冬季オリンピックと夏季オリンピックは同じ年に開催されていました。

私は、東京オリンピックでは2歳だったのでほとんど記憶にないのですが、札幌はよく覚えています。スキーの70mm級ジャンプ競技が金・銀・銅と日本が独占したこと、90m級では残念な結果に終わったこと、フィギュアスケートのジャネット・リン選手が転倒しながらも笑顔だったことが印象的です。

たぶん、50歳代以上の人なら「(失敗しても)ジャネット・リンを見習って」と言えば通じるはず。

あとはトワエモアのテーマソングでしょうか。

●1998年長野オリンピック

1998年2月に開催された長野オリンピックでは、ITが大きな役割を果たしました。詳細は「情報処理」1998年2月号の論文に詳しく紹介されています。

長野オリンピックのネットワークと情報提供システム
重近 範行 , 中村 修 , 笹川 信義 , 村井 純
情報処理,39(2), (1998-02-15)

オリンピックの情報がWebサイトで公開されるようになったのは、非公式には1994年のリレハンメル冬季五輪から、公式には1996年のアトランタからだそうです。つまり1998年の長野冬季五輪は公式サイトになってから2回目ということになります。

アトランタの実績などを基に、IBMが予測した長野オリンピックのアクセス数は1日に1億ヒット(毎秒1157ヒット)です。当時のYahoo!のアクセス数が1日500万ヒットだったことを考えると、いかに大きいかが分かるでしょう。ちなみにGoogleの創業は1998年9月なので、長野オリンピックのときは存在すらしていませんでした。また、Wikipediaによると現在のYahoo! Japanのヒット数は2009年で1日19億だそうです。

利用されたネットワークは、T3回線(45Mbps)が2本だそうで、単純に規格上の数字だけ見ると、現在の家庭用インターネット接続と同程度でしかありません。

当時、既に負荷分散技術はあったのですが、DNSラウンドロビンを使うのが一般的でした。ただし、DNSラウンドロビンによる負荷分散はIPアドレスによる経路選択ができないこと、クライアントキャッシュが有効な間は負荷分散ができないことから、最終的にはIPアドレスによるロードバランスが採用されたようです。

当時、既にIPv6のエニーキャスト規格は存在しましたが、当然のようにあきらめたそうです。現在でもIPv6は家庭にはほとんど普及していません。論文では「結局、エニーキャストを自前で実装したようなものだ」という記述がありました。

コンテンツを保管するストレージは、世界数か所に分散させ、DFS(WindowsのDFSとは違う技術です)を使って同期しています。サーバーは各拠点に数十台、拠点内では負荷を考慮した分散を行なうことで、応答時間を短縮します。

2020年東京オリンピック

2020年の東京オリンピックではどんな技術が使われるのでしょう。

基本的なインフラは、クラウドに依存するでしょう。期間限定で、急激なトラフィック増減をさばくにはクラウドが最適です。

Webサーバーやデータベースサーバーだけでなく、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)による配信も当然使われるはずです。

そして、これを契機に日本でもクラウド利用が本格化し、基幹業務をクラウドに移行する企業も増えるでしょう。

また、1964年は2年の歳月をかけてプロジェクトを完遂したそうですが、それほどの時間をかけることはないでしょう。

IPv6のエニーキャストは使われるでしょうか。あと7年もあればIPv6はある程度普及していそうな気もしますが、よく分かりません。10年以上前から「IPv6はもうすぐ普及する」といって、全く普及していませんからね。

ちなみに1964年のプロジェクトでは、途中でプロジェクトが遅れ、人員を大量に追加したそうです。「遅れているプロジェクトに人員を大量投入するとさらに遅れる」というのはプロジェクトでよくある話ですが、この時は、プロジェクト初期から詳細なドキュメント記述を強制していたため、大きな遅れはなく、人員の追加は多大な効果を上げたそうです。

【追記】もちろん、現在のオリンピックでは既にクラウドもCDNも使われています。ソチの冬季オリンピックでは動画配信にMicrosoft Azureが使われ、CDNが活躍しました。

2013年9月11日水曜日

オリンピックとWindows Server

どういうわけか、Windows Serverはオリンピックの年に出ることが多いようです。

  • 1996年…Windows NT 4.0
  • 2000年…Windows 2000
  • 2004年…Windows Server 2003 (これは1年ずれていますが)
  • 2008年…Windows Server 2008
  • 2012年…Windows Server 2012

次のWindowsは「完全なクラウドOS」を目指すそうですが、具体的にはどうなるのでしょう。

もしかしたら、自社サーバーでありながら、パブリッククラウドの一部を構成するようになって、余ったリソースを外部に販売できるようになるかもしれませんね、ちょうど、SETI@HOMEのプロジェクトや、電力における家庭用の太陽光発電みたいな感じです。

グローバルナレッジは、どのバージョンも日本で最も早い時期に教育コースを提供したベンダーのひとつです。

Windows NT 4.0では、米国までトレーニングに行った同僚がいました。
Windows 2000では、1999年からマイクロソフトのパートナー企業向けの研修の一部を担当しました。
Windows Server 2003やWindows Server 2008でも、マイクロソフトのパートナー企業向け研修を担当しました。
Windows Server 2012では、3日間のアップデートコースを提供しています(これは「Windows Server 2012ソリューションアップデート」として現在も提供中です)。

さて、2020年開催のオリンピックが東京に決まりました。

地元で開催されるのは、選手にとって何かと有利なので、日本人選手は喜んでいるでしょう。
個人的にはイスタンブールを推していたんですが、決まったからには成功して欲しいと思います。

オリンピックが開催されると、世界最大規模の同人誌即売イベント「コミックマーケット」の開催ができなくなるとか、路上ライブの規制が強化されるとか、コンビニで成人誌が発売できなくなるとか、いろいろ悪い噂があるようです。 コンビニの成人誌はなくてもいいと思いますが(私個人としては、どんな内容でも出版の自由は確保すべきだと思っていますが、流通の制限は必要だと考えています)、その他は困った話です。

ちなみに「コミックマーケット」のWebカタログは、マイクロソフトのクラウドサービス「Windows Azure」上に構築されています。会期前から会期終了までと、その他の期間では利用者数が極端に違います。負荷変動の大きい場面では、クラウドは非常に有利です。

一方で、サブカルチャーを日本の重要輸出品目と考える政治家もいます。コミックマーケット準備会も交渉を開始するでしょう。 路上ライブの規制は避けられそうにありませんが、路上ミュージシャンの宮崎奈穂子さんが、女子レスリングの金メダリスト吉田さおりさんに曲を贈った縁もあるので、何十年に1回の規制くらい受け入れましょう。

2013年9月8日日曜日

大阪のみなさまへ: 9/25~ Windows Server 2012 コースのご案内

Windows Server 2012 R2 も完成し、来月にも一般入手可能という話ですが、多くの方はWindows Server 2012の評価を行なっている最中ではないかと思います。

幸い、Windows Server 2012 R2は、名前から想像できるように、それほど大きな違いはないので、まずはWindows Server 2012の導入を検討し、時期によってはR2にすることを考えればいいでしょう。

さて、Windows Server 2012関連の教育コースは昨年末から新機能を中心に解説する3日コースが実施され、今年から一般向けのマイクロソフト公式カリキュラム(MOC)が始まっています(まだR2には対応していません)。

MOCは、内容が広く深いのが利点ですが、基本的なことを学ぶだけでも合計15日間も必要になります。既にWindows Serverの知識をお持ちの方にとっては冗長な部分もあるでしょう。

日本オリジナルの「Windows Server 2012ソリューションアップデート」は,3日間で新機能を演習付きで学べるのでおすすめです。

新しい教育コースは大阪での実施が遅れがちですが、このコースは大阪でも実施しています。直近の日程は9月25日(水)からですので、機会があればぜひご受講ください(残念ながら担当は私ではありません)。

多くの場合、(幸か不幸か)大阪の方が受講者が少ないので、質問もしやすいかと思います。

なお、現在「MCSA: Windows Server 2012 チャレンジキャンペーン」を開催中です。

Windows Server 2012ソリューションアップデート」ご受講の方に、MCP試験70-417(アップグレード)受験バウチャーチケットを差し上げています(2013年12月開催分まで)。

もし前提資格をお持ちであればMCP 70-417試験に合格することで、「MCSA: Windows Server 2012」として認定されます。この機会に受験と資格種時までどうぞ。

2013年9月2日月曜日

Microsoft、MCA/MCM/MCSMの認定プログラムを終了へ(17:35追記あり)

標記の記事をITmediaが公開しています。

ただ、翻訳記事の内容、特にMCAの下りが少し分かりにくいようですので、補足します。

マイクロソフトの認定資格は、従来3つから4つに分かれていました。IT基盤技術者の場合は以下の通りです。

  • MCP...単一の技術分野の知識とスキルを認定 (現在は廃止)
  • MCSA...関連する複数分野の知識とスキルを認定
  • MCSE...ソリューションを提供するための知識とスキルを認定
  • MCM...ソリューションの設計ができる(米MCAの後継)

なお、現在はMCPの試験は実施されていますが、「MCP」単独の資格は存在しません。あまり報道されていませんが、「MCP試験合格者」はあっても「MCP資格取得者」は存在しないということです。

日本のWebサイトでは少し分かりにくいのですがM、よく読むと「MCP」は認定プログラムを指す言葉として使われています。米国のWebサイトの方がもう少し分かりやすいかもしれません。

さらに日本独自の資格として「MCA(Microsoft Certified Associate)」がありました。

MCAは、米国本社でほぼ同レベルのMCTAが登場したため、統合されMCAは廃止されました。
日本のMCA廃止は今年1月に一般発表されています。

MCAとMTAの認定範囲は非常に似ており、後継資格と考えて構いません。既存の有資格者は、改めてMTAの試験を受ける必要がありますが、それほど混乱はないでしょう。

一方で、米国には日本のMCAが生まれたちょっと後に別の資格として「MCA(Microsoft Certifed Architect)」が登場しました。
こちらは文字通り、アーキテクチャを設計するスキルを認定するもので、日本では試験が実施されていません。

米国MCAの後継資格がMCM(Microsoft Certified Master)で、MCSM (Microsoft Certified Solutions Master)もMCMの一種です(追記: MCMはMCAの下位資格でした)。

MCA/MCMは口頭試問が必要で、認定する側もされる側も大きな負担を強いられました。
今回廃止されるのは、英語のみで実施されていたMCA/MCMであって、日本ではもともと実施されていないため、大きな影響はないと思われます。

翻訳記事では、たまたま日本のMCAも認定が終了することが決まっていたことから補足したのだと思いますが、旧MCAを知っている人にとってはかえって分かりにくくなってしまったようです。
なお、MCAについての説明は、既にWebサイトから消えています。

【参考】MCA
アーキテクトと開発者の違いは? MSの新認定プログラムが始動


【追記】MCAとMCM

すみません。私も間違えていました。

米MCAは、MCMに移行したわけではなく、MCMの上位資格がMCAでした。MCAがあまりにも難しいので、MCMという中間資格ができたのかもしれません。

MCAの方が先に出たので、後継資格だと勘違いしていました。お詫びして訂正します。